この記事の結論

  • 危険自分で壊すのはケガ・破壊不足のリスク大
  • 落とし穴穴1つ・水没・磁石では復元される可能性が残る
  • 推奨専用機による物理破壊+証明書が確実

「HDD 自分で 壊す」といった検索で、ドリルでの穴あけや分解、電子レンジ、水没など、自分でHDDを破壊する方法を探す方がいます。しかし、こうした方法の多くは危険を伴ううえ、データが中途半端にしか壊れず、後から復元されてしまうリスクがあります。

この記事では、自分でHDDを壊す方法にどのような危険性・限界があるのかを手段ごとに解説します。手順そのものは紹介しません。安全にデータ抹消まで済ませたい場合は、HDDの処分方法のうち専門業者による物理破壊をご検討ください。破壊した媒体1台ごとに記憶装置物理破壊完了証明書(一般に「データ消去証明書」と呼ばれる書類に相当します)を発行します。

自分でHDDを壊す6つの手段とリスクの一覧穴あけ・磁石・水没ほか

インターネット上では、ドリルで穴を開ける、ハンマーで叩く、強力な磁石を近づける、塩水に浸ける、電子レンジに入れる、分解して記録面に傷をつけるといった方法が「自分でできるHDD破壊」として紹介されることがあります。これらを復元リスク・身体や火災のリスク・証明書の有無という3つの軸で並べると次のようになります。

手段復元リスク身体・火災リスク証明書の有無
ドリルで穴をあける高い(無傷の記録面が大部分残る)切創・粉塵・工具の跳ね返り× なし
ハンマーで叩く高い(外装だけが変形しやすい)破片の飛散による目・手のけが× なし
磁石を近づける非常に高い(家庭用磁石では記録が乱れない)強力磁石による指の挟み込み× なし
塩水に浸ける・水没させる高い(乾燥後に読み取られる可能性)感電・腐食した金属によるけが× なし
電子レンジに入れる高い(記録面が壊れるとは限らない)発火・スパーク・感電。危険であり推奨しません× なし
分解して記録面を取り出す△ 記録面の傷の付き方に依存ガラス製記録面の破片・切創× なし
専用機による物理破壊(委託)低い(復元は極めて困難)作業者が専用機で実施◎ 1台ごとに発行

共通しているのは、どの手段も「壊した証拠」が残らない点です。自分で壊した場合、社内の廃棄記録や取引先への説明に使える書類は作れません。台数が1台でも、記録が必要な用途であれば委託を検討する価値があります。次の見出しから、手段ごとに何が起きるのかを個別に見ていきます。

手段別に見るリスク復元・けが・火災

ドリルで穴をあける

HDDはプラッタプラッター/記録円盤)の表面全体にデータを記録しています。数カ所に穴をあけても、穴の周囲以外は無傷のまま残ります。筐体が硬くドリルが滑りやすいため、工具が跳ねてけがをする事例もあります。

ハンマーで叩く

外装のアルミ筐体は変形しますが、内部の記録面まで均等に壊れるとは限りません。金属やガラス製プラッタの破片が飛び散り、目や手のけがにつながる危険があります。

磁石を近づける

家庭で入手できる磁石では、HDDの記録に必要な磁力(保磁力)に対して磁界が弱く、記録の並びを乱すことはほとんど期待できません。専用のデガウス装置とは磁界の強さが大きく異なります。仕組みと限界はデガウス(磁気破壊)の解説をご覧ください。

塩水に浸ける・水没させる

内部の基板や配線に水分が残ったまま通電すると感電のおそれがあるうえ、記録面自体が壊れるとは限らず、乾燥後にデータが読み取られてしまう可能性があります。危険であり推奨しません。

電子レンジに入れる

電子レンジの使用は特に危険であり、推奨しません。HDD内部の金属部品が電子レンジ内でスパークを起こし、発火や故障、感電事故につながるおそれがあります。実行手順は本記事では扱いません。

分解して記録面を取り出す

記録面を直接傷つける方法は、他の手段よりは効果が見込めるものの、傷の付き方が均一にならず、傷のない面から読み取られる可能性が残ります。3.5インチHDDの記録面はガラス製の場合があり、割れた破片で手を切る危険があります。

中途半端な破壊がデータ復元される仕組み

HDDはドーナツ状の円盤(プラッタ)の表面にデータを記録しています。ドリルで数カ所に穴を開けたり、一部にひびを入れたりしただけでは、プラッタの大部分が無傷のまま残ってしまうことが少なくありません。

データ復元を専門とする業者や技術があれば、こうした「一部だけ壊れた」状態のプラッタから情報を読み取られてしまう可能性があります。中途半端な破壊は、かえって「壊したつもり」で安心してしまう点が危険です。

怪我・発火・廃棄ルールのリスク

作業中のけがと火災

分解や破壊の作業では、金属の切断面やガラス製プラッタの破片で手や目を傷つける危険があります。また電子レンジのように熱や電気を伴う方法は火災のリスクも否定できません。

破片の廃棄ルール

さらに、破壊した破片をそのまま一般ゴミとして出すと、自治体の廃棄ルールに反したり、収集作業員が怪我をする可能性もあります。安全面・環境面のいずれから見ても、自己流の破壊はリスクに見合わないといえます。

記録を残して確実に処分するなら専門の物理破壊

専用機で壊すことの違い

専門業者による物理破壊は、穿孔・せん断などに対応した専用機器を用いて、プラッタ全体を確実に破壊します。自己流の方法のような「壊したつもりが一部しか壊れていない」というリスクを避けられ、破壊後には記憶装置物理破壊完了証明書も発行されます。

費用と記録

HDD・SSD単体は1台 ¥1,540(税込)から、11台以上は¥990/台です。証明書は写真付き¥550/枚・一覧形式¥2,200/枚(最大20台)で、破壊後の媒体は古物商許可に基づき1点 ¥11(税込・税抜¥10)で買取し作業費から控除します。詳しい破壊方式は物理破壊、費用の考え方はHDD破壊の費用相場のページをご覧ください。

壊す前に依頼できるか相談する電話・メールフォーム

自分で処分する前に、まずは専門業者への依頼もご検討ください。出張・持ち込み・宅配の3つの方法からお選びいただけます。ご不明点はお電話・メールでお気軽にご相談ください。

FAQ

自分で壊す方法についてのよくある質問

ドリルで穴を開ければ大丈夫ですか?

数カ所に穴を開けただけでは、プラッタの大部分が無傷のまま残り、データが復元される可能性があります。また作業中の怪我のリスクもあるため、おすすめできません。

電子レンジや水没でも消えますか?

どちらもデータを確実に消せる方法ではなく、特に電子レンジは発火や感電などの重大な危険があるため使用しないでください。水没も基板への感電リスクがあり、安全な方法ではありません。

自分で壊したものも証明書は出ますか?

証明書は当社所定の方法で破壊・確認を行った場合に発行するものです。自己破壊済みの状態では確認が難しい場合がありますので、まずは破壊前の状態でご相談いただくことをおすすめします。

磁石でデータは消えますか?

家庭で入手できる磁石では磁界が弱く、HDDの記録を乱すことはほとんど期待できません。専用のデガウス装置とは磁界の強さが大きく異なります。またSSDやUSBメモリはフラッシュメモリのため、磁気による消去は効果がありません。

この記事の監修

この記事の内容は、当社の破壊作業責任者(★監修者名)が確認しています。役職・保有資格・従事年数などのプロフィールは会社概要(監修者・作業責任者)に掲載しています。記載内容についてのお問い合わせも承ります。